17.オオトカゲ類

(1) 分類、品種
オオトカゲはオオトカゲ科のトカゲで、30種以上がアジア、アフリカ、オーストラリアにいます。オオトカゲは独特の風格のある、魅力的なトカゲのグループです。
(2) 形態、生理、習性
オオトカゲといっても、3mを超す種類から20p位の小さな種まで大きさは様々です。3mを超すのはコモドオオトカゲ(Varanus komodoensis)やハナブトオオトカゲ(Varanus salvadori)の2種だけです。舌は他のトカゲとちがいヘビと同じです。寿命はたいていの種類で10数年だろうと思われます。危険性があります。オオトカゲは馴れるものと馴れないものの差が極端です。咬まれれば危険性が大きな種類があり、歯も鋭いので気を付けてください。3mを超すコモドオオトカゲやハナブトオオトカゲは、案外馴れ易い方にはいると思います。尾を振り回したり、口を開けて飛び掛ってくるものの方が、小さくても危険です。臭いは便などによるものです。大きいものでは臭いも出ますが、掃除をさぼらなければそれほどではありません。威嚇音は出しますが、声は出しません。
(3) 飼育上必要な施設と機材
ケージはある程度動きまわれる大きさにし、水槽でも構いませんが、しっかり付けられるフタが必要です。フタは重しをしておく方が安心です。水入れは体を丸めてオオトカゲがつかれる程度の大きさと深さが必要です。結構汚しますので、簡単に水洗いできるものが望ましく、排水は重要です。温度は25〜30℃にし、温度調節は重要です。日光浴は必要ですが、体温が上がり過ぎると死んでしまいます。日陰など体温を下げられる所を必ず用意してください。乾燥が好きな種類から、かなり湿度が高いのが好きなものまで様々です。湿度は高くてもムレない方がよいなど、条件が難しいものまであります。
(4) 飼い方のポイントと注意点
餌は大部分が肉食性ですが、果物を食べるものもいます。一般に与える餌は、大きなものではラットやマウス、ヒヨコ、馬肉、レバーなどです。小さな種類や小さい時は昆虫やピンクマウスを与えます。あまり太らせないほうがよいと思われます。餌を制限するのもよいが、ネズミ類のように栄養価が高いものを減らし、ヒヨコや馬肉やレバーなど様子を見ながら増やしてください。水入れの中で便をすることが多く、汚れていたら取り替えてください。逸走(脱走)防止には留意してください。慣らすのなら、触ってやるしかありません。上手に触れば、暴れないかもしれません。触る側が、嫌がらないよう触ると考えてください。迷惑防止や危害防止としては逃がさないことです。
オオトカゲはそう繁殖する動物ではありません。制限するほど増えて困るなら、雌雄を分けることです。個体識別は少数飼育なら、個体の特徴でできると思いますが、多数ならマイクロチップを注入するとよいでしょう。
(5) 健康と安全の管理
主な病気と予防については、風邪・肺炎、金網のケージによるトラブル、火傷等がありますので、グリーンイグアナの項を参照してください。オオトカゲは、傍目には仲良く過ごしているように見えるのですが、突然争うようになります。逃げきれるほどの広さはケージでは無理でしょう。争いが始まったら、すぐ分けた方がよいでしょう。雄同士が多いと思いますが、雌でも争います。体調にもよるのでしょうが、大きい方がいじめるとは限らず、小さい雌が大きい雄をいじめることもあります。
観察は動物を飼育する場合の基本です。必ず記録を付けてください。栄養状態がよいかどうか、判断するのは難しいのですが、痩せすぎはわかると思います。太った状態の時、本当に体調がよいかどうか、はっきりいってわかりません。単純に少し太っているのなら構いません。ただ栄養が良過ぎるのはよくないでしょう。皮膚もケージも清潔に保ってください。
(6) その他特記事項
5種がサイテスの附属書Iに属し、残りの全種が附属書IIに属します。同居が難しい種類が多く、とくに雄同士は争いがちなので、原則的には分けて飼育するべきです。動物愛護管理法の政令で危険動物に指定されているのは、3mを超すコモドオオトカゲとハナブトオオトカゲの2種だけです。コモドオオトカゲはサイテスの附属書Iに属し、通常は手に入りませんし、飼うべきではありません。ハナブトオオトカゲはII表ですから飼うことはできます。しかし、許可が必要ですし、かなり大がかりな施設が要求されます。3mを超すのは2種だけですが、それ以外にも大きくなる種類は多く、逃げ出したら人に不安を与えるでしょう。危険動物に指定されていませんが、できれば飼うのは小型の種類にかぎり、大型種は動物園などに任せるのが妥当だと思われます。