9.アカアシガメ
(1) 分類、品種
アカアシガメ(Geochelone carbonaria)はリクガメ科のカメで、中央アメリカ南部から南アメリカに分布しています。
(2) 形態、生理、習性
細長いドーム状の甲羅と、手足の鮮やかな紅色の模様が特徴です。大きさは50pに達し、家庭で飼育するカメとしては明らかに巨大です。類似の種類にキアシガメがいますが、こちらは80pを超えるためもはや動物園動物と考えるべきでしょう。
熱帯雨林の林床を徘徊し、野草や落下した果物、きのこ類、動物の死体などを食べているため、植物メインの雑食性といわれています。雨季と乾季はあるものの、通年、湿度の高い環境で生活していると考えてよいでしょう。日のあたらない林床で暮らすせいか、隠遁性が強いですが、日光浴も必要とします。寿命は野生で13年8ヵ月という記録があります。
(3) 飼育上必要な設備と機材
広い場所で、高温(30℃前後。最低25℃)と適度な湿度を保ち、絶えず綺麗な温水に浸かることができる環境を用意します。暗い場所を用意し、隠れられるようにし、開けた場所にはHIDランプを照射し木漏れ日を演出します。おそらくホシガメと同様に、部屋ごと保温して最低温度を確保するのがよいでしょう。季節の変わり目の低温であっけなく命を落とすことがあります。
保湿性の高い床材として赤玉土やヤシガラなどが推奨されますが、室内で衛生的に飼育するにはとうてい管理しきれるものではありません。土の上で飼育することを考える場合は、農業用温室に観葉植物を植え、熱帯植物園のようにして、そこで放し飼いにするような施設が必要でしょう。
(4) 飼い方のポイントと注意点
餌は野菜や野草を中心に、果物類も添加します。果物は他のカメでは偏食に陥るうえに餌として適さないものですが、アカアシガメでは、積極的にメニューに加えてよいようです。ただし、あまり多くを占めないように与えます。そのほか、動物性の餌として、ピンクマウスやドッグフード、精肉類、九官鳥の餌なども与えます。これも多給による害をいつも考えながら与えましょう。
(5) 健康と安全の管理
繁殖個体が流通のメインを占めるめずらしいリクガメですが、依然として野生個体も多くみられますので、入手時の管理が重要です。まず駆虫をすること。適切な環境で十分水を与えて腎臓機能を保護します。
また、ヘルペスウィルスのキャリアとして知られていますので、発症なく家に持ち込まれ、他のカメに感染する危険性もあります。購入した店で売られている他のカメ、たとえば発症しやすいホルスフィールドリクガメなどに異常がみられないか確認しましょう。もし異常があるカメが他にいた場合、ペットショップ内で感染し、キャリアとなっている可能性は否定できません。